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発表論文Publications

三春町と東北大学は、平成26年8月9日に仙台市内において、「安心への道のり~安定ヨウ素剤の配布服用と個人線量計測の検証」と題して記者会見を行いました。記者会見では、実生プロジェクトの代表、副代表と委員が出席し、本プロジェクトの趣旨、設立経緯、安定ヨウ素剤配布の経緯、発表論文の概要説明等を行いました。論文は、英国の科学誌、Journal of Radiological Protectionに平成26年8月15日にオンラインで出版されました。

原論文(T Koike et al 2014 J. Radiol. Prot. 34 675‐698)は http://dx.doi.org/10.1088/0952-4746/34/3/675 から御覧頂けます。

翻訳版 「福島県三春町に飛来した福島第一原発由来の電離放射線に関する包括的データ‐実生プロジェクト」はここ(pdf)から御覧になれます。

この翻訳は、英国物理学会出版局(IOP)の許可を得て掲載しています。原文と翻訳の齟齬は、実生プロジェクトに全てその責任があります。

翻訳の転載を禁じます。

【 論文のポイント 】

 これは、2011年3月15日に起きた、福島第一原子力発電所の爆発事故で飛散した放射線に関する三春町の取り組みと東北大学が収集したデータの評価を行い、論文として公表するものである。

 福島県三春町は、この事故の直後から、大気中に放出された放射線量に関するデータを収集し、独自の解析判断を加えて、ヨウ素剤を配布する等、町民の放射線予防防護に努めた。

 また、これら東北大学大学院理学研究科チームと三春町住民の手による草の根の測定値は、実生プロジェクトの下、記録して残された。我々はこれらのデータ群の範囲内で自己矛盾のない解析を行った。

 未だ100mSv以下の低レベル放射線に長期間晒される危険性については、国際的に科学的コンセンサスは得られていない。我々は、実生プロジェクトを通じて、住民と自治体が連携した持続的なモニタリングの可能性を実証して見せた。この手法を継続して、今後10年に渡り個人のモニタリングを継続することが重要であると考えている。

 ここに明らかにするデータ群が世界中の専門家に共有され、精査・研究されることを願ってやまない。

【 概 要 】

  本論文は下記五項目から成る。

1. 導入:実生プロジェクト

安定ヨウ素剤の配布・服用の経緯及び実生プロジェクトの立上げとその活動趣旨。

2. ガイガーカウンターによる最初期の放射線測定

最初期のデータ収集と安定ヨウ素剤服用指示のタイミングの検証。

3. 表土試料中のテルル132/セシウム137比の測定。

セシウム137の測定値からテルル132との相関性の解析。

4. 校庭の土壌試料の測定

土壌試料のデータ解析によるヨウ素131の検出測定。

5. OSL線量計による外部被ばく個人測定

住民の外部被ばくモニタリングの課題と測定値データの解析。